事業所や工場が閉鎖してやむを得ず退職するなら会社都合と思うのが普通ですよね。
ただ場合によっては、自己都合退職になることがあります。
そこでこの記事では、事業所や工場が閉鎖して退職する場合どのような時が会社都合退職で、またどんな時が自己都合退職になるについてご説明します。
事業所閉鎖での退職は自己都合?会社都合?
勤務先の事業所や工場が閉鎖し、転勤ができない場合は退職するしかありません。
このような場合、会社の都合で働く場所がなくなるので、会社都合退職が望ましいところです。
ただ実際は思うようにならないケースもあります。
そこで会社都合退職になる場合と、自己都合退職になる場合の違いについて確認していきましょう。
自己都合退職になる場合
残念ながら自己都合退職になってしまうのは、就業規則に異動に関する定めがある場合です。
この場合、事業所や工場が閉鎖になるか・ならないかに関係なく、会社は転勤の指示を出すことができます。
初めから転勤可の契約になっているので、転勤せずに退職する場合は自己都合退職になる可能性があるのです。
しかし、事業所閉鎖など特別な場合は通勤が困難ということで、特定受給資格者(会社都合退職)に認定されることもあります。
往復の通勤時間が4時間以上かかる場合がこれにあたります。
会社都合退職になる場合
会社都合退職になるのは、就業規則に異動の定めがない場合や、そもそもエリア限定で契約をしている場合です。
この場合、転勤の指示自体が想定外のものなので、転勤ができないことでの退職は会社都合になります。
また、前述のように閉鎖による転勤で、通勤が困難になった場合も会社都合退職になるケースがあります。
会社都合退職のメリットとデメリット
会社都合の退職になると自己都合退職に比べて失業期間のメリットがあります。
しかし、会社都合退職はメリットばかりではありません。
そこで会社都合退職のメリットとデメリットについて確認していきましょう。
会社都合退職のメリット
会社都合退職のメリットは、失業給付金の支給を受けるまでの期間が短いという点です。
自己都合退職は給付制限により、失業給付金を受けるまでに3カ月の時間が必要になります。
しかし会社都合退職は給付制限が無いので、最短で7日後には支給を受けることが可能になっています。
さらに、自己都合退職に比べて給付金の支給額が多く、給付期間が長くなるメリットもあります。
そのため会社都合の退職であれば、すぐにお金に困ることはありません。
会社都合退社 | 自己都合退社 | |
---|---|---|
失業給付金最短支給日 | 7日後 | 3カ月と7日後 |
失業給付金支給日数 | 90日~330日 | 90日~150日 |
失業給付金最大支給額 | 約260万円 | 約118万円 |
会社都合退職のデメリット
会社都合退職のデメリットは再就職の面接時に質問が増える点です。
これはトラブルや業績に問題があり、会社を解雇になったのではないかと面接官が考えるためです。
しかし、事業所や工場が閉鎖したという明確な理由がある場合、そこまで退職理由を追及されることはないでしょう。
同じように自己都合退社の場合も、極端に転職回数が多いケースを除けば、辞めた理由を詳しく追及されることは少ないはずです。
失業給付金の申込方法

失業給付金は何もしなければ支給されません。
給付金の支給を受けるためにはハローワークで求職の申込をする必要があります。
求職の申込には離職票が必要で、これを持ってハローワークで求職の申込をすると、基本手当を受ける資格が得られます。
離職票は、離職日以前の2年間雇用保険に加入していて、会社を退職するときに希望した人に交付されます。
基本手当の資格が得られると、受給説明会を経て失業認定日の通知があります。
この期間仕事を探していれば失業状態にあると認定されます。
失業状態の認定をされるには、求職活動を実施していて且つ収入を得ていない状態でなければいけません。
就職活動中なら複数の求人サービスの登録が有効
もし現在就職活動中で再就職がうまくいっていないなら、いくつかの転職サービスを利用してみましょう。
転職サービスの中には中小企業の求人を多く保有しているところがあるので、このようなサービスにいくつか登録しておくと非常に役立ちます。
マイナビエージェントなどは、中小企業案件が多く、求人の8割が非公開求人になっているので、ネットで探すよりも良い条件の求人が見つかりやすい特徴があります。
もちろんマイナビだけではなく、他にも中小企業の求人が多いサービスはあるので、今求人を探しているのであれば、このようなサービスを複数登録することをおすすめします。
最後に
事業所や工場が閉鎖になって転勤ができず退職せざるを得ない場合、異動場所の距離によっては会社都合での退職になることがあります。
会社都合退職は、失業給付金の支給日・支給期間・支給額が、全て自己都合退職よりも優遇されているので、会社都合退職にできるようなら、会社と交渉して出来るだけ会社都合にしてもらいましょう。
ただ失業給付金はいつまでももらえるものではないので、早めに再就職するようにしましょう。
