単身で転勤をするときに迷うのが、住民票を移すか移さないかです。
住民票を移しても移さなくても転勤先で生活することはできます。
ただそれぞれのことを知っていると、自分にはどちらの方がメリットがあるかわかるようになります。
そこでこの記事では、10年以上住民票を移さず転勤していた立場から単身赴任で住民票を移すメリット・デメリットについてご説明します。
単身赴任で住所変更は必要?
結論から言うと、単身の転勤で住所変更はしなくても大丈夫です。
ただ場合によっては、地元に頻繁に帰らないと不便になることもあるので注意しましょう。
住民票を移さないことによってのデメリットと、移すメリットは以下の通りになります。
住民票を移さないことでのデメリット
住民票を移さないことでのデメリットは大きく分けて3つです。
- 身分証明証などの更新ができない
- 選挙に行きにくくなる
- 行政独自のサービスが受けられない
身分証明証などの更新ができない
運転免許証やパスポートの発行・更新は、基本的に住民票がある地域が管轄しています。
そのため、運転免許やパスポートを更新するには、住民票がある地域で手続きをしなければいけません。
またマイナンバーカードの発行も、住民票がある地域の市区町村役場で行う必要があります。
選挙に行きにくくなる
住民票がある地域で選挙がある場合、不在者投票を使って参加することはできますが、投票場に行って投票することはできません。
行政独自のサービスが受けられない
医療系の行政サービスなども住民票がある地域でしか受けられません。
利用する場合は帰省前に予約をして、住民票のある地域の病院で受けることになります。
住民票を移すメリット
住民票を転勤先の住所に変更するメリットは、先述のデメリットの逆になります。
住民票を移していれば、転勤先で運転免許証の更新やパスポートの更新ができます。
また、地元での選挙権は無くなりますが、転勤先で選挙に参加することができます。
さらに、行政のサービスも受けられます。
基本的には転勤前と同じような生活を、転勤先でも送れるようになるのです。
住民票は移さない方が良い場合もある
住民票を移す場合は、住民税が2重にかかる可能性があります。
住民税が2重でかかる可能性があるのは、持ち家や土地を所有している地域に住所がない場合です。
この場合、家屋敷課税と呼ばれる税金の支払い義務が発生します。
本来1市町村に払えば済む住民税を、持ち家や土地を所有する地域に住所がない場合は、転勤先の市町村にも支払わなければいけなくなるのです。
単身赴任で持ち家がある人は、住民票を移すことでこのようなデメリットが発生します。
そのため、近距離の転勤や短期の転勤であれば、住民票の移動はしないほうが良いでしょう。
住民票を移す時の手続き方法

単身赴任の転勤で、会社から住民票を移すように要請される場合があります。
その場合、住民票を移さないのは難しいので、現住所から速やかに住民票の移動を行いましょう。
住民票の移動に必要なもの
住民票を移動するには、現住所の市区町村役場で転出届を提出し、転勤先の市区町村役場で転入届の手続きをする必要があります。
なお、転入届の提出期限は、引っ越した日の翌日から14日以内です。
14日を過ぎてしまうと、5万円以下の罰金がかかる場合があるので注意してください。
転出届の手続きに必要なものは以下の通りです。
- 印鑑(シャチハタでないもの)
- 顔写付きの身分証明書
- 印鑑登録証(登録者のみ)
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 乳幼児医療証(該当者のみ)
単身赴任の場合その他の手続きとして、転出届提出時に世帯変更届の提出が必要になります。
妻もしくは子供が15歳以上の場合は、どちらかを世帯主にして提出しましょう。
また、単身赴任先が海外の場合は、海外転出届の提出が必要になっています。
最後に
単身赴任で転勤する場合、住民票の移動をどうしようか迷うこともあると思います。
住民票の移動は法で決められたものではないので、移しても移さなくてもどちらでも大丈夫です。
ただし「身分証明証の更新ができない」「選挙が行きにくい」「行政のサービスが受けられない」などデメリットと感じる部分もあります。
短期の転勤などデメリットにならないこともあるので、自分の状況に応じて判断してください。
